2015年 12月号 vol.51のハイライト
2020年、自動運転が現実に?
モーターショーに見る最新カーライフ事情、2020年まであと5年、私たちのカーライフは大きな曲がり角を迎えることになりそうです。
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「2020年、自動運転のクルマが路上に現れる!」というハナシが聞かれるようになってきました。イグチッテ読者の皆さまは、どうお感じになりますか。「もうすこし先ではないか?」「事故になったらどうするのか?」など、どちらかというと、ちょっと不安で心配な気持ちになる方も多いのではないでしょうか。
2020年説の根拠、それは東京オリンピック開催を契機に、本格的な自動運転車を投入し、東京湾岸周辺の交通網の運転支援システムを向上させ、事故や渋滞の削減を目指していることにあるのです。
もとより日本ではITS(高度道路交通システム)への取り組みを、長年にわたり関係省庁とメーカーが協力して行っており、2013年には「ITS東京世界会議」が行われました。渋滞や事故を減らし、環境負荷を抑え、飛躍的に快適なクルマ社会に革新するこの流れは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアと動きを一致させながら、日々、実現に近づいています。今のところ2020年の自動運転車登場は、ほぼ確実、と言えそうです。
東京モーターショーの会場、日産、トヨタ、三菱などの自動車メーカーブースでは、自動運転のプレゼンテーションが大にぎわい。世の注目の高さを実感しました。各メーカー共通しているのは、高速道路で渋滞のないスムーズな流れを維持するための車間距離アシストとこれを総合制御するシステムテクノロジー、また、最も事故が多い交差点での各種ドライビングアシストなどで、業界を上げての取り組みを実感。特に日産ブースでは、スタイリッシュな映像とともに「自動運転」のメリットと魅力が伝わってきて、ワクワクさせられました。人間がミスを犯しやすい状況下においても、センサーやレーダー、カメラ等が周囲の危険を捕捉し、コンピューターが瞬時に判断を下して、自動運転での事故を未然に防止。さらにクルマが文字メッセージで周囲に挨拶や意思表示をするなど、たいへん面白い工夫もありました。さらに、車内カメラで運転手の体調等を読みとって運転アシストにつなげるドライバモニタリングや、クラウドコンピューター上のビッグデータ活用による道路状況・交通状況の予測運行サポートなど、さまざまな取り組みに出会えました。現時点で実車搭載されているのは「自動ブレーキ」や「駐車アシスト」になりますが、これら自動運転に欠かせない技術の搭載まで「あとほんのちょっと」という感じがしました。
さて、読者の皆さまは自動運転に4つの段階があることをご存知でしょうか。現在はレベル1つまり「加速・操舵・制動のいずれかの操作を行う状態」の段階にあります。そして実証実験を通じて2020年に実現を目指しているのはレベル2ということになります。
カーナビメーカーとして知られるFujitsuTenの技術者によれば「多くの自動車メーカーは、運転する楽しみをドライバーに残したい、と考えていますので、自動運転の目標はレベル3になるのでは」とのこと。その一方で、センサーやレーダー、カメラ等センシングデバイスの有力メーカーボッシュ社の技術者は「今、私たちはドイツ、日本、そしてアメリカの路上で実証実験を重ねています。最終的にレベル4を目指しています」と語りました。一般的にエレクトロニクス専業メーカーはレベル4を目標とする傾向が強いと言われているようです。このようにメーカーによって多少の温度差はあるようですが、現状で開発にしのぎを削っている中心に自動運転技術があり、その成果を主要ブースの数多く見聞きすることができました。
東京モーターショーの主催者テーマ事業『スマート モビリティシティ2015』には、さまざまなカタチとアイデアのパーソナルモビリティや燃料電池車が大いに注目を集めていました。試乗可能なものも多く、どれも30分以上待ちの大人気。自動運転のメーカーブースの多くがこちらに集中し、会場のなかで近未来度の高いゾーンになっていました。
さて、外国車ブースにおいては、自動運転の分野でもっとも目立っていたメルセデスベンツ。メタリックなアルミシルバーに輝く車体に「後ろ向きになる運転席」というインパクト抜群のアイディアで注目を独り占めに!
2020年まであと5年、私たちのカーライフは大きな曲がり角を迎えることになりそうです。
発行元:iguchitte?編集室
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