今野です。

前回の予告通りであれは「元放置車両の火入れ」と「ジャンク車高調の修理」だったのですが、肝心の車高調本体が修理不可能(買った方が安い)レベルまで逝ってしまっていたため、やむなく廃棄となりました…

ですが、「元放置車両の火入れ」については達成出来ましたのでヨシとします。
試しに一発クランキングしてみたのですが初爆が無く、燃料系統の診断から始まりました。

1:燃料ポンプは動いているか
キーON時に耳を澄ますと、車体後方からモーターの駆動音がするはずです。これが燃料ポンプ。スイッチ、ヒューズとメインリレーを介してバッテリーの12V電源がモーターに入り、モーターのマイナス端子がアースしていれば駆動します
結果:不動!(泣)
これは自分のミスです。サーモスタットハウジングに落とすべきアースをつけていませんでした。image
これでOK。ちゃんと駆動しました。
ちなみにEK型のシビック辺りまで(インテグラ、アコード、ビート、シティ、トゥデイ等)のメインリレーは貧弱で、良く壊れる部品の筆頭です。
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「自分の車、変えたのかな?」と思ったオーナーはひとつ持っておくといいかもしれません。

2:インジェクターは噴射しているか
燃料ポンプが動いていることを確認したら、今度はインジェクターです。ここから噴射していればそこまでの経路は無事だということがわかります。噴射していなければそこから上流に辿っていきましょう。
今の車ならばコンピュータを繋いでひとつずつ作動確認ができますが、昔の車はそうもいきません。
まずはプラグコードとプラグを外し、5秒間クランキングしてみましょう。その後、プラグホールの匂いを確認します。全ての気筒がガソリン臭ければほぼ大丈夫です。もしくはスグにインジェクターを取り外し、ノズルが濡れているかを確認しましょう。
結果:噴射なし!(泣)
いよいよ辛くなってきました。では上流に参ります。

3:インジェクターレールに燃料が来ているか、フューエルリターンから燃料が出るか
インジェクターの上の部分が刺さっている細長い部品がインジェクターレールです。
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この末端にあるフューエルリターンホースからキーONで燃料が吹き出てくるか確認します
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ここから吹き出てくれば、燃料ポンプ〜インジェクターレールまでの経路が無事であることが分かり、異常があるのがほぼインジェクターに絞られます。
結果:OK!ウェスがガソリンまみれになりました。
となると問題はインジェクター。さっそく単体試験といきます。
まずはインジェクターを取り外し、バッテリーと適当な配線を用意します。できればスイッチもあるといいでしょう(トグルスイッチ不可)。
それらを図のように繋ぎますimage
プラスマイナスは気にせず、片方を端子に付けた状態にしたら、もう一方で端子をチョンチョンしてみてください。もしくはスイッチを連打してみてください。この時に「カチッ」という音と振動を感じられたらインジェクターは死んではいません(健全かどうかは別)。
結果:ウンともスンともいわない(泣)
ならば原因は
1,内部短絡or断線
2,内部固着
です。1はテスター当てれば分かります。マニュアル通り、1.5〜2.5ΩあればOKで、4つとも2.0Ωでした。原因は2ですね。
インジェクターの固着は割と皆さん難儀してらっしゃるみたいですが、私はこんな感じにやりました。
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インジェクターにホースと注射器(アストロプロダクツの樹脂製のもの)を接続し、そこにキャブクリーナー(クレ)を溜めておきます。端子にスイッチを介してバッテリーを接続し、注射器を押しながらスイッチ連打です。最初は反応がありませんが、段々と固着が解消されてしっかり噴射されます。1本およそ30秒くらいですかね。楽勝でした。最後にパーツクリーナーを送り込んで終わりです。
4本とも固着が解消されたのでさっそく取り付け…

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始動しました!!!
その後チェックランプ点灯がありましたので
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スロットルポジションセンサーと
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気筒判別センサーを交換。
吹け上がりも最高によく、漏れや異音もなし。
自分でオーバーホールとちょっとした細工をしたもんですから、とりあえずこんなもんでしょう、と言った感じですね。
ZCエンジンしか勝たん!!!